女の生き方
女も稼げるようになっておいた方がいいと、よく言われます。
「仕事してないの?なんで?パートくらいすればいいのに」
私も何度も言われました。正直言うと、今もその言葉におびえています。
「お仕事は何をしているの?」初対面の人にはたいてい聞かれます。
まるで外に出てお金を稼がない人間は、おかしな人、普通じゃない人みたい。
何度も言われるから、私もそんな気がしてきました。
私は専業主婦になりたかったからなったのに。
私が20代前半だった1990年代後半は、バブルははじけてはいましたが、まだ専業主婦率も高かったように思います。当時私は東京のスーパーマーケットに勤めていました。本部の副社長の下で働いていたので、店長やバイヤーたちのお給料もなんとなく知っていて、その低さにドン引いていました。
実際、男性社員の奥さんたちはみんな働いていました。
「私もこの会社の人と結婚したら、一生働かないといけないんだ…」
「私、この会社の人とは恋愛しない!」
仲の良かった社長秘書さんに宣言しました。恋愛したら結婚の流れになってしまう年齢だったし、当時は「女はクリスマスケーキ」と言われ、25過ぎたら売れ残りなんて言われる時代でした。
その秘書さんの紹介で、夫と出会い結婚したのですが、夫は「僕は一人っ子でかぎっ子だったから、誰もいない家に帰るのは寂しかった。結婚して子供が出来たら家にいて欲しい」と言い、私もそうしたかったし、社宅は横浜にあったので結婚を機にその会社を辞めました。
娘が2歳の時に夫の単身赴任が決まって、その後息子が生まれ完全ワンオペで子どもを育てていました。息子にアレルギーがあったり肌が弱かったりしたので、おやつを手作りしたり、合成洗剤を使わないようにしたり、自分なりに色々調べてこだわって子育てをしていました。私は家の中のことや、お菓子やパンを焼いたり、裁縫したりするのが趣味だったので、娘の服を縫ったり、幼稚園バッグなども大喜びで作っていました。
家の中で黙々と何かを作ったり、調べ物をしたり、「あれ?」と思うことは深く学んだりすることが好きで、何日も外に出なくても全然平気。これは私の持って生まれた性質で、全く違う真逆な性質を持っている人にとっては信じられない、耐えられないことだと思います。
私はたまたま専業主婦が性に合っていて、私もそれを望んでいて、そうできる人と結婚してそうなった。
それだけのこと。
外に出てバリバリ稼ぎたい人はそれが性に合っているのだからそうしたら良い。それだけのこと。
ただ、経済的に夫に完全に依存してしまうのはリスクです。皆そのことを心配して、女も「稼げないといけない」と言ってくれているのですよね。
50歳になる直前に、私は夫に「離婚を考えて欲しい」と突然言われました。
とっても驚いて一瞬パニックになったけど、「いよいよ自立の時が来たのか」と思いました。
同時に夫には感謝しかなかった。今まで何不自由なく暮らせていたのは夫のおかげでしかないから。
すぐに埼玉に住む夫の元へ行き、感謝を伝えました。だけど、一人で食べていく自信が私には全くなかった。学歴もキャリアもない50歳の女を雇ってくれるところなどどこにもないだろうと思ったから。自分で仕事を作るにしてもすぐには収入にはならないだろうから「今離婚はしたくない」と言いました。
あれから2年、今も離婚はせずに変わらない生活を続けています。
夫の真意はわからない。なぜ離婚したくなったのか、訊ねてもよくわかりませんでした。夫もまた、よくわかっていないようでした。今もどう考えているのかはわかりません。でも問い詰めてはいけない気がしてそっとしておいている。という状態です。
もしかしたら、夫も「俺は必要とされていない」と感じたのかもしれません。
だけど私が「離婚はしたくない。私にはあなたが必要」と言ったから、離婚を思いとどまったのかもしれません。
男と女は真逆の性質を持ち、どちらも片方だけでは半人前。両方揃ってお互いの性質を補い合うから上手くいくのだと思っています。そしてどちらも必要とされたいと願い必要としている。自分の欲求だけじゃなくて、相手が何を求めているのかを常に考え与えることが、パートナーシップには必要だと思います。
自分の性質を知り、自分の欲求を知り、自分に与えること。
それは相手の性質を知り、相手の欲求を知り、相手に与える練習になります。
女性として生きるのであれば、女性性の性質、欲求、能力を知る必要があるし、男性性の性質、欲求、能力も知れば、自分の中の男性性も、パートナーの男性性のことも、よくわかるようになります。








